つながれば、社会は変えられる

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委託者と受託者の関係を超えて。役場も企業も“楽しい”と語る「チャレンジ白馬」の事業共創

「何をするか・どんなサービスをつくるか」。

課題を解決したり、新しい何かを生み出したりしようとすると頭に浮かぶ、この問い。でも、実際はきっと「誰とするか・どこでするか」といった問いが重要になってくるのかもしれない。

たとえば、アメリカのシリコンバレーがわかりやすいだろう。スタートアップ企業の聖地であるこの地は、さまざまなバックグランドを持った人が集まり、オープンマインドな気風に満ちているという。実際にここからいくつもの画期的なサービスが生まれているのは、多くの人が知るところだ。

今、日本でも、そんな誰かと何かを生み出していく土地をつくろうという動きが生まれている。そのフィールドは、長野県。「信州ITバレー構想」という計画のもと、ITを活用して、産官学の垣根を超えたコラボレーションをいくつもかたちにしてきた。

この動きの中心にいる組織の一つが、一般社団法人長野ITコラボレーションプラットフォーム、通称「NICOLLAP」だ。

今回足を運んだのは、長野県北部にある白馬エリア。世界屈指のスノーリゾート地として知られる白馬エリアは、実は「交通」の課題に悩まされていた。そんな課題に、NICOLLAPに参加している企業たちが手を組み、自治体や地元交通事業者も巻き込みながら、新たな交通のかたちを実現したというのだ。

いいサービスをつくるために、「誰とするか・どこでするか」。NICOLLAPが取り組んだ、この「チャレンジ白馬」の事例から、よりよい“磁場”が生まれるヒントを掴みたい。

実は、ConnectX Magazineを運営するBIPROGYは、NICOLLAPの理事企業でもある。BIPROGY、NICOLLAP加盟企業、そして自治体。この3者がどのように関わり、事業共創がかたちになっていったのか。

今回は、NICOLLAPの運営に携わるBIPROGYの市原潤さん、NICOLLAP加盟企業でありチャレンジ白馬の取り組みをリードしたアルピコ交通株式会社の上嶋圭介さん、そして事業を共に推進した白馬村役場の太田雄介さん、矢口浩樹さんに話を聞いた。

太田 雄介

太田 雄介

(おおたゆうすけ)

白馬村

観光課長

本年4月に勤続30年の表彰をいただけるそうです。30年も経つと体力や記憶力、発想力など色々な面で衰えを感じています。記憶力はなんともしがたいですが、体力は定期的なジム通いで維持しつつ、発想力は新しい出会いから刺激を受けることでなんとかしています。これからも出会いや交流を大事にしながら、新しいことにチャレンジしていきます。

矢口 浩樹

矢口 浩樹

(やぐちひろき)

白馬村

観光課 観光商工係長

役場に就職して25年目。これまで、観光課、税務課、スポーツ課、農政課、総務課、長野県へ出向と幅広い分野の仕事に従事。

地域活動では消防の分団長を経験するなど、地域の一員として充実した日々を送っています。今後も地域の皆さんと一緒に地域づくりに参加させていただければ幸せです。趣味はスポーツ観戦です!

上嶋 圭介

上嶋 圭介

(かみじまけいすけ)

アルピコ交通株式会社

経営企画室長

都内の大学を卒業後、広告代理店やリゾート運営会社を経験し約10年前にUターンでアルピコ交通に転職。アルピコ交通では経営企画室に所属し、予実管理やMaaSなどを推進。

プライベートでは幼少期から白馬で登山やスキーを楽しんでいます!

市原 潤

市原 潤

(いちはらじゅん)

BIPROGY株式会社

戦略事業推進第二本部 事業推進第二部 企業共創プロジェクト1G

大学卒業後、通信会社・広告会社での新規事業開発を経て2012年より地域事業に参画。商品開発/流通販売/イベント企画/ プロモーション/農業支援/飲食事業等、自治体や企業の地域事業開発に従事した後、2019年より現職。官民連携や共創モデルを推進する、長野ITコラボレーションプラットフォーム(NICOLLAP)のディレクターとしても活動。白馬の温泉が大好きです!

コラボレーションによって、長野に新たな事業を生み出す

取材当日、辺り一面に雪が残っていた白馬村。まず村役場で待ち合わせをしたのは、BIPROGYの市原さんとアルピコ交通の上嶋さん。まずNICOLLAPとは、どんな課題意識を持つ、どのような共同体なのか。その背景から話をはじめることにした。

NICOLLAPは、長野県内の企業や自治体、大学を巻き込んでさまざまなプログラムを実施しているそうですが、どのような目的で運営されているのでしょうか。

市原さん

NICOLLAPは、「信州ITバレー構想」を実現するために生まれたプラットフォームです。正式名称は、長野ITコラボレーションプラットフォームといいます。ただ、「IT」という言葉がついているものの、それは手段。あくまでコラボレーションによって新たな事業が生まれていくことに重点を置き、ITは結果的に付随するものに過ぎない。そんな意識ではじまりました。

一口に「コラボレーション」と言っても、さまざまなかたちがあるように思います。NICOLLAPでは、どのようなコラボレーションのあり方を目指してきたのでしょうか。

市原さん

正直、NICOLLAP発足当時は、どういう人を・どのように巻き込んでいくかなど、具体的なことは何も決まっていない状態でした。そこで、まずは地域課題に対して想いを持った地元企業や個人に集まってもらって、何ができるかをセッション形式で考える「地域共創ラボ」を立ち上げることにしたんです。約半年間、トライアンドエラーを繰り返しながら1期目のプログラムを実施。2期目からはアイデアをプレゼンテーションするだけでなく、実際に企業同士のコラボレーションプロジェクトを実装させていくかたちにブラッシュアップしていきました。

上嶋さん

アルピコ交通がNICOLLAPに関わりはじめたのは、地域共創ラボの2期目から。実際に参加したスタッフが中心となり、地元放送局とコラボレーションしてクラフトビール&フードフェスを開催しました。

市原さん

2期目の地域共創ラボでは、他にもさまざまなコラボレーションプロジェクトが誕生しました。この背景には、参加企業に対してコミットの仕方をアレンジしたことがあります。たとえば、申し込みフォームには、地域共創ラボに参加する社員の推薦書を記入してもらい、上長のサインを必須としたほか、各企業には社員がプログラムへの参加を優先できるようなスケジュール調整や、事業化が実現した際の予算の確保も依頼しました。

たしかに事業化を前提とするとなると、相応の覚悟を持ったコミットは必要かもしれません。なぜアルピコ交通は、そこまでしてコラボレーションしようと考えていたのでしょう。

上嶋さん

人口減少もあり、利用者が減っている公共交通事業だけでは厳しい状況。その危機感は、社内でも共有されています。ただ、社内だけで状況を打開するアイデアを出そうとしてもなかなか難しい。変化を生み出すためにも、外部との連携は重要だと考えていました。

白馬の観光交通の課題に向き合うために生まれた、絶妙な座組み

NICOLLAPというコラボレーションプラットフォームのもと、育まれていった事業共創の土壌。その後、BIPROGYとアルピコ交通は、白馬村役場やモビリティ分野のスタートアップ企業らとともに事業連携体「チャレンジ白馬」を立ち上げている。

2022年には、白馬村内での移動手段が限られているという課題に向き合うため、AIを活用したオンデマンドタクシーのソリューションを開発し、実証実験をスタート。累計1万2千人が利用し、91%もの利用者がサービス満足度で5つ星評価を与えるなど、既に成果を上げはじめている。この取り組みが上手くいっている要因は、一体どこにあるのか。ここからは、白馬村役場の太田さん・矢口さんも合流。チャレンジ白馬で生まれた事業共創のプロセスを聞いた。

チャレンジ白馬が実施しているAIオンデマンドタクシー事業の実証実験も順調だと聞いています。この取り組みは、どのように始まったんですか?

矢口さん

もともとは市町村が抱える地域課題を、企業とのマッチングによって解決していくことを目指す「チャレンジナガノ」という長野県のプログラムがはじまりでした。そのとき、白馬村役場として提示していた課題が、「二次交通(※)手段の確保による来訪者の満足度向上」だったんです。

※二次交通…拠点となる空港や鉄道の駅から観光の目的地にたどり着くための交通手段

上嶋さん

外部と連携しながら新たな取り組みを始められないかと考えていた矢先、チャレンジナガノの話を聞いて、すぐに説明会に参加しました。この白馬村の課題を聞いたときに、すぐに思い浮かんだのが、市原さんたちの顔。すぐに「一緒にやろう」と声をかけましたね。

事業オーナーが白馬村役場で、進行上のリーダーを務めるのがアルピコ交通。そして、モビリティ分野のスタートアップ企業がソリューションを提供し、BIPROGYがプロジェクト全体をコーディネートする座組みでスタートしました。

市原さん

旗振り役は、地元の交通事情を理解している事業者が適任。上嶋さんが先頭に立ってくれて、とてもありがたかったです。

太田さん

30件以上の提案があった中で、企業共創のスキームで提案してきたのは、上嶋さんや市原さんたちのチームだけ。座組みのバランスも期待感が持てました。

地域の交通事情を理解している企業、新しいテクノロジーを保有する企業、それらをコーディネートする企業、そして事業オーナーとなる自治体……たしかに地域の実情を踏まえつつ、新しい取り組みにチャレンジするには過不足のない座組みかもしれません。

市原さん

実際にプロジェクトが発足してからも、とても動きやすかったんですよ。それは上嶋さんのリーダーシップのおかげ。「ソリューションの中身についてはスタートアップ企業の〇〇さん」「ソリューションを最適化させる際にはBIPROGYの〇〇さん」など、地域課題に対して、誰が・どんなことをしたら最適なのかを理解した上でパスを回してくれるんです。

上嶋さん

もともと市原さんたちとは、ビジネスはもちろん、一緒にお酒を飲んだりとプライベートでも関係性があったので、どんなことを考えていて、何が得意な人なのかを把握しているんですよ。だから、誰に・どんなパスを出せばいいのかがわかるんです。

白馬ナイトデマンドタクシー概念図(2022年12月19日プレスリリースより引用

企業と企業の相性はもちろん、人と人の関係性も重要になってくる。

市原さん

そうかもしれません。会社同士のコラボレーションも、元を辿れば人に行き着くはず。どんな企業の・どんな肩書きか、といった名刺に書かれていることでなく、バックグラウンドや課題意識などを含めた一人の人間としての顔が思い浮かぶかどうか。そんな属人的なところから、コラボレーションは生まれると思っています。

上嶋さん

会社の役割から離れてパーソナルな一面を知っていると、「この人に、こういうことを頼みたい」といった“関わりしろ”が生まれる気がします。

一緒に悩むところからはじめる、役場と企業の新たな関係性

一見、企業同士の連携に見えても、その裏側には顔が思い浮かぶ個人同士の関係性がある。市原さん自身も「こんなに動きやすい官民連携プロジェクトは新鮮だ」と話す。

ここで、気になったのが“官”の立場。つまり、自治体である白馬村役場だ。プロジェクトに参画した太田さん・矢口さんは、チャレンジ白馬にどのように関わり、どのような印象や手応えを抱いていたのだろうか。

白馬村役場としては、チャレンジ白馬をどのように捉えているのでしょうか。

太田さん

基本的に、自治体と企業の関わり方は「この地域課題に対して・この内容を・この金額でやってほしい」という仕様を固めて発注するのが一般的。今回のチャレンジ白馬のように、課題から共有して「さぁどうしましょう?」とさまざまな事業者と一緒に悩むところからはじめられることはこれまで一度もなかったので、とにかく新鮮でしたね。

矢口さん

それまで役場と企業は委託者と受託者という固定化された関係性だったんですけど、チャレンジ白馬ではひとつの悩みを共有するチームメンバーになった。フラットな立場から意見を言い合うのが、何だか楽しかったんですよね。

「楽しい」……単なる行政と企業での受発注の関係では生まれない感想だと思います。

市原さん

たしかに楽しかったですよね。というのも、「難しい」とか「できなさそう」という否定する意見が誰からも出ないんですよ。それは、きっとお互いが自分の苦手なことや相手の得意なこと、そしてそれぞれのパーソナリティも理解していたからなんじゃないかと思っています。

太田さん

毎週の定例ミーティングでは、それぞれの「こうしたい」というアイデアが活発に出て盛り上がりましたよね。とても熱量の高いチームになっていると思います。

とはいえ、事業オーナーでもある白馬村役場としては、アイデアを精査しないといけない立場でもありますよね。事業を実現するにあたって、どのようなことを意識していたのでしょうか。

太田さん

議論をするほどさまざまなアイデアが磨かれていく。でも、最終的に「お金がなくて実現できません」となっては、せっかく熱量高く積み上げてきたものが全て崩れてしまいます。それだけはどうしても避けたかった。だから、国の補助金や一般財源など、あらゆる選択肢を検討しながら、いかに予算を確保するべきかを常に考えていました。

矢口さん

特に村役場で予算を要求するにあたっては、上司や議会の承認を得る必要があります。説得力のある報告書を作成するには「今年度どういうKPIを設定して、どんな達成度で、さらに改善させるためにこれだけの予算が必要だ」といった定量的な評価を盛り込む必要がある。そんな目標設定から数値評価まで、チャレンジ白馬のメンバーで考えていきました。

普通、お金を拠出する側が予算確保の責任を一心に背負い、他の事業者は提示された予算に従って事業を考えることが多いですよね。でも、それだと委託者と受託者の関係性から抜け出せない。でも、チャレンジ白馬では「どれだけの予算を・どうやって取るか」をお金の拠出元である行政に一任せず、チームで一緒に考えてきた。それって、実はとても画期的なことだと思います。

太田さん

本来、事業性の観点に立つと、自治体よりも民間企業の方が目標や課題の設定、モニタリングは得意なはず。その力を借りた方が、事業もかたちにしやすいんですよ。

同じゴールを目指しながら、それぞれのできること・できないことを差し出し合う。その姿勢がチャレンジ白馬の事業者間で共有されているのが、鍵なのかもしれませんね。ちなみに村役場内でのチャレンジ白馬の評価はどうだったのですか?

矢口さん

とても高く評価されています。チャレンジ白馬の取り組みは、観光交通が大きなテーマでもあるのですが、来年度は部門を超えて総務部が管轄する生活交通の分野にもソリューションを展開していくことを期待されているんです。

つい自治体って「縦割り行政」なんて揶揄されてしまいがちじゃないですか。でも、白馬村では「この領域は自分の管轄外」とせずに、部署の垣根を超えて事業をつくろうとしている。それはなぜ可能になったのでしょうか?

太田さん

やはり地域課題を出発点にしているのが大きいと思います。部署を起点に何をするかを考えるのではなく、課題を解決するためにどうすればいいかを考える。「交通手段の不足」は、観光にも、生活にも及ぶ課題です。だからこそ、組織を横断して取り組まないといけません。そもそも役場にとっても、1つのソリューションで2部署の課題が解決できるのであれば、それに越したことはありませんよね。この取り組みのかたちが、組織全体にも広がればいいなと思っています。

目先の利益を追うよりも、中長期的な視点で価値を生む

ビジネスの観点から言えば、自社の担当範囲を広げて取り分を多くするほど、利益を得られるだろう。しかし、チャレンジ白馬では、アルピコ交通のほかにも地元のタクシー会社が運行事業者として参画しており、IT企業のBIPROGYもスタートアップ企業のソリューションを活用している。

どうして2社は自らの役割を広げるよりも絞る方向に舵を切っているのか。そして、村役場はこれからどのように新しいプレイヤーを受け入れ、事業連携体を広げようとしているのか。最後に聞いてみた。

チャレンジ白馬では、アルピコ交通とBIPROGYは、モビリティを運行したり、ソリューションを開発したりするよりも、プロジェクトをリードしたり、コーディネートしたりする立ち回りが多かったのではないかと思います。

矢口さん

実際、役場でも「アルピコ交通さんやBIPROGYさんって、儲けがあるのだろうか?」って心配していました(笑)。

上嶋さん

たしかに自社だけでタクシーやバスの運行を独占できたら、大きな利益は生まれるでしょう。でも、地域課題を考えれば、自社のキャパシティだけでは解決できないのは自明。だからこそ、地元のタクシー会社に協力をお願いし、白馬村役場にも然るべき予算を用意してもらい、アルピコ交通はプロジェクトのマネジメントに注力することにしたんです。

それに、いつかアルピコ交通でMaaS分野に取り組むことになれば、チャレンジ白馬の知見も活かせるはず。すぐに直接的な利益につながらずとも、自社事業にも還元される部分もあるんです。

チャレンジ白馬で開発されたアプリ「HAKUBA DO」
市原さん

交通課題の解決は長いスパンで取り組む必要があります。大局観を持って、中長期的な視点でプロジェクト全体をデザインできることがBIPROGYが最も提供できる価値。まずは目先の利益を得るよりも事業に継続性を持たせる役割を優先しようと考えていました。価値ある事業を継続できれば、必ずどこかでいいことが起こる。上司には「価値が循環するのはもう少し先。様々なステークホルダーの強みを掛け合わせ、事業共創による課題解決を推進することが、当社の新たな価値になる」と訴え続けました。

太田さん

チャレンジ白馬を担当した前任は、観光交通から生活交通に異動後、事業の委託先として真っ先に市原さんたちのチームを思い浮かべたそうです。ここで生まれた関係性があったからこそ、村としても新たな事業を依頼できる可能性が生まれます。

話を伺うと、すぐに利益が生まれないことに対して、いかに社内の理解を得ていくか、ということもポイントになりそうな気がします。

上嶋さん

私の場合は、部署のミッションを上手く活用させていただきました。私が所属する「経営企画」だと中長期的な視点で取り組むことをよしとされる。そういったエクスキューズがあることで、社内でも立ち回りやすくなるかもしれません。

また、短期的な成果はあがらずとも、長い目で見て、取り組みの価値を理解し、見守ってくれた上司の存在抜きには、このプロジェクトは語れません。

最後に、今後のチャレンジ白馬では、どのようなプレイヤーを巻き込みながら、どのように展開していきたいと考えていますか。

太田さん

今年度はレストラン予約サービスを提供している企業に参画してもらったり、来年度は生活交通にもソリューションを展開したりと、新たな取り組みも進んでいます。しかし、まだまだ運用面では課題があるのも事実。それらの課題を、またチャレンジ白馬のメンバーとともに振り返り、整理し、解決していけたらと思います。

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Writing:
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小林 拓水

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小林 拓水

toishi

企業と企業、自治体と企業、自治体の部署と部署……チャレンジ白馬では、さまざまなレイヤーで垣根を超えた共創が生まれているのだなと知りました。

きっと、その端緒になっているのは「課題から共有する」ということ。もちろん「言うは易し、行うは難し」な側面もあるかもしれません。でも、まずは肩書きや役割ではなくいち個人としてつながることからはじめる、と考えると少し踏み出せそうな気がしてきました。何が好きで・何が苦手で、何をやりたくて・何に困っているのか……そんなお互いを理解する土壌があると、きっと委託者と受託者という固定化された関係性から抜け出せるのかもしれない。一緒にお酒を酌み交わす以外にも、きっと方法はあるはず。肩書きや役割の外側にあるパーソナルな部分が、“関わりしろ”を生み出し、人と人をチームにさせるのかなと思いました。

末廣 将志

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末廣 将志

SWAT Mobility Japan 株式会社

SWAT Mobility は AI オンデマンド交通の運行アプリをチャレンジ白馬を通じて白馬村に提供しています。白馬村の取り組みは全国的に見ても非常に先進的な取組みだと思います。

まだまだ、AI オンデマンド交通の認知度が高くない中で、2022 年の実証運行では 1 万 2 千人の利用者を記録しました。最初の実証運行でこのような成果が出せたのも、フラットな関係で、楽しく、前向きに事業を取組むことができるチャレンジ白馬のプラットフォームがあったからだと考えています。

今後も白馬村、BIPROGY、アルピコ交通の 3 社や他サービスとのコラボレーションを通じて、よりよい地域交通モデルの構築に取組んで行きます。

勝亦 達夫

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勝亦 達夫

信州大学 キャリア・教育サポートセンター

交通が専門ではない私たちですが、「Move as a Service=あらゆる「移動」をサービスに繋げていこう」と利用者視点から次世代交通技術の利用を理解、普及したいというゼミの活動に興味を持っていただき、地域の課題解決を目指す「チャレンジ白馬」プラットフォームに加えていただきました。今回の取り組みが地域に実装されて、住民、観光客、事業者の方々が実際にどうのように認知、利用しニーズや課題を持っているのか、学生たちが現地で直接声を集めています。

今年度、「HAKUBA Do」という、バスの乗車予約も飲食予約も観光情報も一つのアプリで得られるローカル MaaS アプリの実証においても、大学の意見も聞いていただき、結果として学生が提案した「HAKUBA Do」という名称を採用いただきました。このように、「チャレンジ白馬」は立場や肩書にとらわれず、どう地域に「使ってもらえるか」を第一に考える実践プラットフォームなのだと思います。

HAKUBA Do には、「道、どう?、何をする?」というようなレコメンドの意味を込められていますが、私達はさらに、DO=Destination Open out :目的地が開ける、新しい発見がある、発展するという意味も重ねました。本プラットフォームが核となり、IT というツールを活用して、この地域の様々サービスや資源と繋がり、まずます展開することを期待しています。

滝口 真太郎

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滝口 真太郎

BIPROGY 株式会社

学生の頃に 3 か月間、白馬で山籠もりをしていたことがありました。栂池という、歩いてはたどり着けない山道の先にあるところの、ホステルに滞在していました。もともとはインバウンド向けの宿泊施設ですが、コロナの影響で、カメラマン、デザイナー、スタートアップの会社員、大学の教授など、様々なゲストが利用していました。

「足がないこと」はゲスト共通の深刻な課題で、地元の人の車に乗せてもらったり、バスの時間を調べたりしましたが、日本語が難しい観光客にとっては長期滞在はハードルになるかもしれないと考えていました。この取り組みがそんな課題を解決してくれるのではないか、そんな期待感を持ちました。

橋本 貴幸

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橋本 貴幸

BIPROGY 株式会社

今年度から地域共創ビジネスを担当しており、参考にすべき要素がたくさん詰まっているなと感じました。今回の取り組みの中で、参加する事業者の方たちの規模・業種・リソースが全く異なる中でどのようにして、この座組に至ったのかその経緯含めて非常に興味深かったです。

チーム内で地域課題をベースとし、中期的な視点で価値を生むという視点は理想的でありながら中々実現できている所は少ないかなと思います。

地域共創ビジネスを担当しているメンバーとして、取り組み・チーム内の姿勢を参考にしながら活動していこうと思います。

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