つながれば、社会は変えられる

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【BIPROGY FORUM 2022 #1】 企業間でつくる「共創」とは

BIPROGY FORUM 2022で開催された「企業とサービスが共に歩む世界を創るーデジタルを繋ぐことによるサステナブルな社会創出に向けて」をテーマに、xID株式会社CEO日下さん、BIPROGY向井のセッションを全3回に分けて掲載します。

#1では、BIPROGYが取り組む「持続可能なまちづくり」を実現していく中で、様々なコンソーシアムに参画している理由と、活動内容をお届けします。


目 次

企業同士の「競争」から「共創」へ
地域活性、スマートシティの取り組み
デジタル先進国エストニアのモデルを日本の自治体へ

日下 光

日下 光

(くさかひかる)

xID株式会社

Co-Founder / 代表取締役CEO

2012年にxID社を創業。
創業時からブロックチェーン技術に注目し、政府機関や民間企業のプロジェクトの企画・提案をブロックチェーン黎明期より携わる。
2017年よりエストニアに渡り、eResidencyや政府機関のアドバイザーを務める。
石川県加賀市の次世代行政実現に向けたDXアドバイザー。静岡県浜松市フェロー。2021年度総務省地域情報化アドバイザー。東京大学近未来金融システム創造プログラム講師

向井 剛志

向井 剛志

(むかいつよし)

BIPROGY株式会社

戦略事業推進第二本部 事業推進二部 部長

1998年に日本ユニシス株式会社(現:BIPROGY株式会社)入社。
地域活性化に資するDXを推進するため、以下活動に参画中。
「柏の葉スマートシティコンソーシアム」UDCKTM 業務執行理事。
「一般社団法人長野ITコラボレーションプラットフォーム(Nicollap)」理事。
「一般社団法人データクレイドル』」理事。

企業同士の「競争」から「共創」へ

向井

まずはじめに、BIPROGYが目指す姿として、ニューノーマル時代・VUCAの時代に、私たちは対応していく必要があると考えます。

どんな変数があったとしても社会は変わらず続いていき、「BIPROGYが社会に対して何を寄与していくのか。」が、私たちの大きなテーマだと思っています。
その中の大きなキーワードとして、「様々な業種と共に創る『共創』」が、重要だと感じています。

具体的には、企業間の競争関係を超え共創していく中で、多様な不確実性に対応するサステナビリティのある社会を創っていく……。そのためには、どうしていったらいいのか、活動の中から解を探っています。

社会課題を字面で見るだけでは捉えきれないこともあるので、肌身に感じた上で、「何が必要なのか」「何が大切なのか」そこをしっかり理解しなくては、課題の解決には至らないと感じています。

地域活性、スマートシティの取り組み

向井

2018年から、長野県長野市で一般社団法人NICOLLAPを起ち上げ、地元の企業や県下の大学、行政も加わり、活動をしています。
この社団の活動において、企業同士の共創をしていく中で、「地域共創ラボ」という共に新しいものを創っていくためのプログラムを主催し、その中で、長野市の善光寺さんをお借りし、コワーキングとして長野県下の企業さまにご参加いただきました。

昨今ですと、経団連さまにも関心を寄せていただくことになり、これからは経団連さまと共に地域社会を繋ぎ合わせて、世の中に社会課題のあり方を発信していく……そんなことを行っていきたいな。と考えています。

スマートシティのプロジェクトでは、柏の葉スマートシティにおけるデータプラットフォーマーとしての立場で、三井不動産さまとご一緒させていただき、現在も街づくり活動をしています。

一方で、異業種を超えていく・業種を超えた大きな連携を作っていく、という活動の一環で、Smartcity Xという、企業共創のプログラムに参加をしています。
Smartcity Xのパートナー企業の皆さまと、日々、コワーキングで協働する活動もしております。

向井

ここまでに触れてきた各種の活動ですが、実は、今考えると原点がありましてーー。
それが、ヨーロッパのエストニアという国なのですが、デジタル先進国ということで、数年前から国内でも非常に注目されています。

エストニアのITモデルだけではなく、「ITを活用する国の制度や国民の考え方」という視点から、この国に強く興味を持ちました。
実際に、現地に行ったり、文献を漁ったり、エストニアでのIT文化を研究していくことが、今の活動の入り口を作ったと感じます。

このエストニアでの活動で、いち早く大活躍されていたのが、xID株式会社の日下さんです。

いずれご一緒にお仕事をしたいなぁ。と、当時から思っていたのですが、BIPROGY FORUM 2022を通じて、ご一緒させていただくことになりました。

デジタル先進国エストニアのモデルを日本の自治体へ

日下さん

xID株式会社代表の日下と申します。改めまして、よろしくお願いします。

私自身4年近く、エストニアという国に在住しています。
エストニアは、中世ヨーロッパの街並みが残るきれいな所です。デジタル国家と言われ始めてから、30年近く立国している北欧のバルト三国に位置する国です。

エストニアでは、主にエストニア政府機関の「e-Regidency」という、エストニアに在住していなくても、電子住民の権利を得ることができる電子住民プログラムを使っています。
私は、その取り組み戦略アドバイザーをさせていただきました。

日本での活動は、2020年からマイナンバーカードに特化したデジタルIDソリューション「xID」というサービスを提供するGov Tech企業の経営しています。
それ以外にも、自治体さんとマイナンバーカードの取り組みを行っています。
マイナンバーカードの情報管理は、各地域の自治体さんが管理することが主になるため、
○ 石川県加賀市のデジタル化推進アドバイザー
○ 静岡県浜松市のデジタルスマートシティフェロー
○ 総務省の地域情報化アドバイザー
……ということを兼任させていただき、民間企業の代表としてだけでなく、スマートシティの推進のために自治体さんと一緒になった取り組みを推進させていただいてます。

簡単に、会社の事業をご紹介させていただきます。
xIDは、総務大臣が認定しているマイナンバーカードを活用した取り組みを提供しています。主に3つあるのですが、1つは、皆さんがお持ちのスマホ、マイナンバーカード、この2つがあれば誰でも無料で使えるデジタル ID アプリ「xID API」を提供しています。

デジタル ID アプリを使用したサービスを開発するBIPROGYさんや、様々な企業さんに技術を提供し、このデジタルIDアプリを持っている、日本全国のユーザーさんに「xID API」をご利用いただいています。
今年の夏からは、さらに自治体さんからの住民通知や郵送される様々な書類が、郵送ではなくてスマホに届く……そういった取り組みを推進しています。

簡単に関係図で表していくと、事業者さん(企業や自治体)は、APIを使って、様々なMaaSの取り組みや、行政手続きをAPIに取り入れて、webアプリといったネイティブアプリを作っていきます。
ユーザー(住民)は、ご自身のスマホにアプリをダウンロードしていただくと、 様々なサービスをデジタル ID アプリを通して利用することができます。
役所に行って、本人確認書類を出さなくてもスマホで完結するーー。そんな機能が詰まっているわけです。

このデジタル ID は、本人確認や様々なサービスに生体認証するログインをしたり、あるいは電子署名をしたり……今まで、各サービス毎に行わないといけなかった煩わしい認証確認を官民それぞれが、複雑な法律の制限なく、ご利用いただけます。

向井

日下さん、ありがとうございます。

エストニアを訪ねたときに感じたことなのですが、「ヒューマンセントリック」という言葉があったんですよね。サービスを作る根本として、その言葉を使っていたという気がしました。

これからの日本の社会における、この「人間中心社会」って一体どんなものになっていくんだろう?どう考えたらいいんだろう?というところをテーマに、お話をさせていただきたいと思います。

#2では、ヒューマンセントリック(人間中心社会)について、社会にできること、どんなサービスが求められているのか、xID日下さん・BIPROGY向井のセッションをお届けします。

Youtubeで動画をご確認いただけます。

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